あれから3年

あれから3年.
日本の復興に,直接の貢献はできていないですが,将来役に立つと信じて,日々の努力を継続中.

去年はこんなことを書いた.

2012年度は,以前から取り組んできた研究テーマを発展させることができて,間接的ではあるが現在の日本の課題を解決するのに役立つかもしれない研究プロジェクトに参加させてもらった.
参加したプロジェクトのうちひとつは一段落して,次につながるかどうかは未定.もしつながったら,引き続き,いまの自分にできることをがんばるつもり.つながらなかったら,…それでも自分たちのグループにできることを探して,研究を続けていく.
もう一つのプロジェクトは,あまり貢献できなかった.見直しが必要.

その後,研究プロジェクトのひとつはいったん終了して,2013年度は規模縮小のため不参加.もしかしたら今年に続きがあるかもしれないとのことなので,もし金野が役に立てるならがんばります.
もう一つは継続中.進め方を見直して,2012年度よりは進んだけど,まだまだがんばらないと.

新しい研究プロジェクトに参加予定.これまでの研究成果を活かせる,はず.
少しは日本の科学・技術の発展に貢献できているだろうか.うーん,まだデスバレーを越えたとは言えないかな.

それから,去年は教育面でもがんばったつもり.ビデオ教材をたくさん作って公開した.
これも改善が必要だが,勉強したい人の役には立つだろう.

今年は教材を改善するとともに,これを使った授業運営方法も改善していきたいと思っているが,あれもこれもがんばろうとすると自分の能力では足りないので,うまくやっていかないと.

今年も初心を忘れず,引き続きがんばります.

今年の紋別は吹雪

2月に開催される北方圏国際シンポジウムに例年参加しているが、今年の紋別は格別だった。
大雪で、吹雪にもなった。

写真は、バスの中から撮影したオホーツク紋別空港付近の様子。

2/16に現地入りして、19日に帰ってきたが、17,18日は飛行機が飛ばなかった。その日に来る予定だった参加者は、来られなかったり、来るのに苦労したりだったようだ。
金野も17日は、シンポジウムに参加後は一目散にホテルに戻って、外に出なかった。

今年も卒論生3名がシンポジウムに参加、発表した。
かっこいい成果が出ていない発表もあったが、お目こぼしいただきたく。

19日の午前中のセッションは、座長を担当した。少しは恩返しできたのかな。

紋別では元気でしたが、帰ってから風邪を引きました。

とりあえずの近況・風邪には気をつけましょう

ここのところ、ここの更新をサボっていました。1ヶ月以上空いていますね。
いろいろあったのですが、まずは近況など。

風邪引きました。先週は何日か自宅療養しました。
関係者の皆さん、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。ごめんなさい。

2/16~19に、例年参加している北方圏国際シンポジウムに、今年も参加してきた。(去年の記事
あとで改めて書きたいと思うが、今年の紋別は吹雪で、飛行機も16日は飛んだが、17,18日は飛ばなかった。金野はたまたま良いタイミングで往復したので影響しなかったが。シンポジウム期間中も、雪中行軍して学会会場に行った。

風邪を引いたのは、しかし、紋別が寒かったせいではなくて、体力を使って弱っているところに、仕事が続いたからではないか。いま日程表を見返してみると、2/8の土曜日に休みがあったが、それ以降はずっと土日も働いていた。(2/8も家で卒論の指導など。)

2/24に実験装置を東大生研に運んで設置する作業をした。金野の車に装置を積んで運び、現地で設置。設置作業そのものは、学生さん達がやったので、金野はちょっと手伝っただけだが。
ここで少し風邪をこじらせたようだ。その日の夕方から、少し調子を落とした。

25日と26日は、仕事を休ませていただき、自宅療養した。関係者の皆様、重ねてお詫び申し上げます。

今回の風邪は、熱はあまり出なかった。24日の夜に微熱が出た程度。最初は喉から来て、そのあと鼻に上がって、鼻水が喉に落ちるせいで喉が悪化する、という流れ。頭痛もちょっとだけ。
抜けるまでに1週間以上かかりました。今週(3/3の週)から、やっと平常業務に復帰です。

皆さんも風邪には気をつけましょう。(インフルエンザにも気をつけましょう。)

n次元変数の可視化は地球(儀)と地図の関係に似ている

「最適化の基礎と応用」という講習会に参加して、最適化および多目的最適化の事例をいろいろ教えてもらった。はるばる(というほどじゃないけど)名古屋までいった甲斐あって、勉強になった。

自分なりにまとめたこと。

多目的最適化のパレート解や、それを構成する設計変数群は、n次元空間上の点で与えられる。特に設計変数の場合、nはたいてい3以上。
しかし人間は、2次元以上の情報を理解することが非常に困難である。3次元でもきつい。

(「それはおまえがバカなだけだ、俺は5次元でも6次元でも、データを見れば関係性を理解できるぞ」という方はいらっしゃいますでしょうか?)

そのため、いろいろな手法を使って、n次元空間上の点の分布を、2次元のマップに置き換える。2次元+色分けするなどいろいろ工夫はする。
しかし次元を落とすので、どこかの情報が落ちたり、誤差が入ったりする。

これはちょうど、地球(儀)と地図の関係に似ている。

地図には○×図法というのがある。メルカトル図法とかモルワイデ図法とか。それぞれの図法には一長一短があり、ある図法は東西方向と南北方向が地図上で直交しないけど、面積比は正しく表現される、ある図法はその逆、といった特徴がある。
球面上の情報を平面に投影するので、歪みは必ず発生する。
(これは中学で習うんだったかと思う。)

n次元空間を2次元に投影するのは、球面を平面に投影するよりももっと難しいので、いろいろな無理がある。そこをがんばって、重要な(と思われる)情報をなるべく保存し-ここも「なるべく」とか「できるだけ」だが-投影する。どの情報を重視するかや、「なるべく」をどう実現するかによって、異なる投影図ができあがる。

可視化手法等によって結果の違いが出たり、解釈に主観が入ることは、上のような理由から、避けようがない。試行錯誤によって適切な可視化手法、解釈を見つけていくしかない。

…と理解したのだが、合っているだろうか。

2013年に買ったもの

2010年2011年2012年に引き続き、2013年に買ったものを振り返ってみる.
でも2013年はあまり高いものを買わなかった.

一番高かったのは,エアコン.
以前に少しだけ触れたが,フィルターの掃除機能がついている、三菱のハイブリッド霧ヶ峰 HWシリーズ.設置費用等込みで80,848円.
去年の夏は暑かったのと,冬には暖房としても使っているので,元は取ったと思う.

ここからあとは,2万円台のものばかり.

ネットにつながる(はずだった)体重計が24,000円台.これは大失敗で,Wi-FiではなくBluetooth接続だった.自宅ではBluetoothを使っていないため,ぜんぜん役に立っていない.
体重の記録をつけてダイエットに役立てようという企画だったのですが….

次はノイズキャンセリングヘッドフォン,Bose QuietComfort.約23,000円.これも前に少し触れている.前には「大学で使っている」と書いたが,自宅で使っていたものと交換して,いまは自宅にある.

これを自宅にもっていったのがきっかけで,自宅のPCのアナログ音声出力がノイズだらけだということに気づかされた.現在はUSB-DACを使っている.Nuforce Icon uDAC2.約12,000円.これのおかげでノイズから解放されました.なかなかよい.

それから液晶モニタ,DELLの24インチ,約22,000円.
24インチワイドのモニタが値下がりするのを待って,長い間19インチスクエアのモニタで我慢してきたのでだが,昨年,ついに交換した.
ワイドモニタに替えたかったのは,PCで映画などの映像を見るとき広く表示されるから.24インチにしたのは,A4縦置きが原寸サイズですべて表示できるから.おかげさまで気分よく仕事できています.
DELLのU2412Mというモニタだが,価格ドットコムの価格推移グラフから分かるように,22,000円は底値に近い.購入できてラッキーでした.

その次は自宅のWindows PC用に買ったSSDだが,2万円を切っている.

エアコンは高かったけど,必要経費だと思うし, 贅沢品は買っていないし(Boseのヘッドフォンは贅沢品に入るか?),総じて物欲を抑えて生活したのではないかな.
体重計は失敗だったけどねぇ.

2013年を振り返って

2013年を振り返ってみると。

前期にビデオ教材を使った反転授業を試みたが、これが2013年のいちばんのトピックになるだろうか。
後期はビデオ新たに作る授業がなかったので、しばらく間が空いてしまっているが、いま振り返っても慌ただしい日々だったなぁ。前にも書いたが、いちばん忙しいときには日曜日に夜更かしして月曜日ぶんのビデオを撮り、月曜日に夜更かしして火曜日ぶんを撮り、火曜日に夜更かしして水曜日ぶんを撮る、という生活をしていた。徹夜も数回。

その後しばらく間が空いてしまったのは、反省点ではある。時間があるときに授業用ビデオを改善したかった。
でも「時間があるとき」なんてない、というのが本音。前期には夜更かしして時間を作っていたのに、後期だったら時間が自然に余るなんてこと、あるわけがない。時間は捻出しないといけない。もうちょっと切羽詰まってきたら、何とかします。

去年一昨年の12月には「研究面では反省の日々で、論文も講演論文しか書かなかった。」と書いていたが、2013年はこの点は改善された。2012年12月に「現在査読中のものが1つだけある」と書いた論文が、かなり遅くなってしまったもののやっと出版されたし、もう一つ査読プロセスに入っているものがある。その次の投稿論文も準備中。9月からはじめた、毎日ちょっとずつ論文を書く活動は、現在も曲がりなりに続いている。

授業と研究で新しいことをはじめることができて、それが結果に結びついたから、まぁよい年だったのではないでしょうか。

ただ、これまでやり方では、たとえば夜更かしするなど自分が無理をすることで、仕事の幅を広げている。
1年前の反省で「自分が使えるリソース(時間や気力を含む)の使い方がまだまだ下手だ」と書いたが、この点はいくらか改善されたようには思われる。しかし自分が使えるリソースが増えたわけではない。いまよりもっと幅を広げようと思っても、限界がある。実際、回さないといけないのに回すことができていない研究テーマもある。
自分の気力や体力をつぎ込んで何とかするのではなく、賢く対応出来るようになりたい。どうすればいいだろう? 何か工夫が必要。

以前にElanceで仕事を外注してみたことを書いた。まだここに書いていないが、2013年にも1回外注してみた。
Elanceで仕事を頼もうと思ったきっかけがそうだったのだが、これまで達成出来なかったことを達成するためには、仕事の枠組みを変えていく必要がある。

2012年は出張が多かったが、2013年は少なかった。海外出張はフィンランド・エスポーに行った1回のみ。国内は、入試などの大学業務や都内出張を除くと、いつもの紋別、札幌、大阪(日帰り)、広島(西条)、佐賀、札幌(日帰り)、名古屋。
2014年は、最低2回、おそらく3回は海外出張します。ITTCの仕事が佳境で、フルカンファレンス(委員全員が集まる会合)が9月の頭にあるし、その前にIce技術委員会の会合もある。

2012年4月から務めている学科幹事の仕事は、だんだん慣れてはきたが、それでも終わる日(2014年3月)を指折り数えて待つ日々だ。
仕事の種類が多い。重要な仕事からつまらない書類書きまで、あれもこれも幹事に来る。そうはいってもこちらから仕掛けた仕事(授業改善の提案)もあったわけで、自分で自分の首を絞めたところはあるが。

私生活では、…なんかあったっけ。たぶん大したことは起きなかったはずです。

2014年もがんばろう。

12月の反省

今年も大晦日.

昨年の記事を読み返してみると、今年の12月は去年の12月ほどには忙しくなかったようだ。予定表も、去年の12月に比べると空きがある。
去年は受託研究でたくさん計算を回して、とても忙しかったからなぁ。今年は、9~11月がそれなりに忙しかったのに比べると、ましでした。

今年の12月は、まず名古屋に1回出張。第27回数値流体力学シンポジウムで勉強させてもらいました。
あとは都内出張のみ。日本工学教育協会のワークショップ…っとこれは11月末か。12月は、前にも書いた出張授業だけかな。

個人的には、12月に4回ほど、英会話教室の体験レッスンを受けた。英語力を維持・強化するには経験を積む必要があると思ったため。あとオンライン英会話教室の体験Skype授業も1回受けた。
12月中は体験レッスンだけだったけど、1月以降にはスクールに通うか、オンライン授業を受けるかして、経験値アップを図る計画。

2013年の反省は別の記事にします。

相手にあわせてしゃべる:プロジェクト研究報告会&入学前オリエンテーション・スクーリング


12月第3週は、人前でしゃべる機会が授業以外で3回あった。ひとつが月曜日(16日)で、先日書いた出張講義。残りの2つはいずれも土曜日(21日)で、工学院大学プロジェクト研究報告会と、入学前オリエンテーション・スクーリングでの機械工学科ガイダンス。

以前にも書いたが、漠然とした課題が発生して、それに具体的な形を与える仕事をすることが、よくある。学科幹事になってから増えた。
今回の3回の講演仕事も、最初の2つは新規作成。最後のガイダンスは昨年度も担当していたことなので、過去の資産が活きたが、つまりは昨年度に漠然とした課題として与えられて、それに形を与えていたから資産があるわけで。

こういうのって「クリエイティブな仕事」に入れていいの? いいよね?
「クリエイティブ」という言葉のイメージと、実際に行っている作業との間にギャップがあるけど、いちおうなんか作ってるし。

それぞれの考え方を書き出してみる。

  • 模擬授業・・・高校2年生が対象で、「工学」がテーマだったので、工学と理学の違いを説明したり、工学で学ぶ内容を入れたりしてみた。また、ものづくりの楽しさを入れた。聞いている人の注意を引けるよう、Preziで動きのあるプレゼンにした。
  • プロジェクト研究報告会・・・多くは大学関係者で、しかし金野の研究のことをほとんど知らない人が聴衆。だから背景の説明に時間をかけた。北極での資源開発や北極海航路の説明をくわしく。一方で研究成果のほうは、あまりくわしく説明しても関心を持ってもらえないだろうと判断して、簡略に。Preziは使わずPowerPointでシンプルに。
  • 入学前オリエンテーション・スクーリング・・・推薦入試合格者など、これから大学に入ってくる人が対象。学科の紹介は入学してからいくらでもできるので、数学や物理が大事だとか、高校の復習をちゃんとしようとか、公式の暗記に頼らずに自分の頭を使おう、といった話を中心にした。昨年度に作ったPowerPointスライドを再利用し改造。
入学前スクーリングのガイダンスでは、M1の大塚君が先輩からのメッセージを語ってくれた。左上の写真はそのときのもの。
いい話でした。大塚君ありがとう。
この手の発表には、不正解はあっても正解はない。誰かが評価してくれるわけでもない。自分で勝手に採点基準を作って、その基準に合わせて答えを作るようなもの。勉強させてもらってます。

Preziで出張授業再び


12月16日に、7月以来久しぶりの出張講義を担当することになり、7月にも使ったPreziで講義してきた。

前回の出張講義のときもそうだったが、今回の出張授業にあたり、入学広報課が先方の高校の要望を聞いてくれた。
今回は「工学」がテーマだったのと、60分×2回の講義で入れ替えがあるため、おそらくもう一方は理学のほうに行くと思われる。
そこで、工学と理学の違いを説明したり、工学で学ぶ内容を入れたりしてみた。
機械システム工学科の見崎先生の出張授業のスライドをいただいたのだが、それにも刺激を受けた。

これまで使ってきたコンテンツを再利用するのではなく、一から作ったので、とても時間がかかった。14日の研究室忘年会でも酒を飲まずに帰ってコンテンツ作り。日曜日もずっと作り続けたが、結局は徹夜することになってしまった。カフェイン大量投入して何とか乗り切った。
左上の画像が、コンテンツの全体像。

2回ぐらい通しでしゃべってみただけで練習が足りなかったので、電車の中でシミュレーションしようと思って印刷物を用意したが、眠くて使い物にならず。学生さんにはちゃんと練習しようといっているのに、こんなんじゃまずいなぁ。
しかし本番では、60分×2回をこなした。一部、ちょっと説明がくどくなってしまったところがあったけど、全体としては破綻なく進められたかな。

2回目の講義の最終版で、足の指がつりました。さりげなく指を伸ばしながら講義したけど、ばれてたかしらん。

終わったあと、新宿に戻って会議。そのときは何とか持ったのだが、会議が終わって出張講義の報告を書いているときに一気に眠気が襲ってきて、デスクで意識を失っていた。

次はちゃんと事前に用意して、練習しよう。

さて今回の講義の目玉は、高校の生徒さん達に、いまはとってもいい時代で君たちはラッキーで是非その幸運を活かしてほしい、と伝えること。最後の10分ぐらいはその話に充てた。
伝わったかなぁ。内容をもっと絞り込むべきだったかな。