2020年に買ったもの

以前から自宅に引き籠もりがちで出歩かない生活をしていましたが、2020年はCOVID-19対応のためますます引き籠もり生活が進みました。そのせいもあって、今年は大きな買い物をしない年でした。

いま調べたところ、自分で買っていちばん高かったのはPanasonicのワイヤレスドアモニターでした。23,450円也。2020年は以前以上に通信販売でものを購入することが増え、またそれを直接受け取らずにドアの横に置いてもらうようにしたため、宅配便が届いているかを確認するのに重宝しました。買ってから3ヶ月ほどしか経っていませんが、役に立っています。ちなみに同機種はもう生産していません。

次に高かったのはAndroidタブレットで、18,000円弱。これは寝室で動画を観たり検索したりする目的で買ったのですが、ZoomやGoogle meetのミーティングをしながら台所でお茶を煎れたりするときにも重宝しています。

その次はマットレスの上に敷く硬めのパッド。17,000円弱。引き籠もり生活で椅子に座っている時間が延び、腰が張ることが多くなったため導入しました。

その次が運動用の靴で、14,300円也。これはルームランナーで運動するときに使っているもので、COVID-19対応でリモートワークが増えそうだとなった3月に買い換えました。ルームランナーは2019年に買ったのですが、2020年に入ってからのほうが稼働率が高いです。引き籠もり生活での運動不足解消に一役買っています。

改めて見直してみても、引き籠もり生活用品ばかりですね。2020年はそれまでとは違う年でした。

子ども向けファンタジー番組,特に変身ものに対する問題提起

さいきんの子ども向けファンタジー番組,特に変身もの(仮面ライダー,ウルトラマン)は,以下に示す理由により短期的には面白いかもしれないけれども,長期的にはストーリーに深みがなくなり,つまらなくなっていると主張し,皆さんのご意見を聞きたいと思います.

ストーリーに深みがなくなっていると感じる理由:以下の事象をストーリーに導入することにより,筋書きに制約がなくなり「何でもあり」の台本になっているから.

  • 時間を遡る(タイムトラベルの類い),時間を逆転させる
  • 死んだ登場人物が生き返る
  • パラレルワールド(平行世界):別の世界(別の歴史)があって,そこでは主要な設定(主人公が変身して戦うなど)は維持されるが,それ以外の設定は大幅に変更される.

提案:上の3つの事象をストーリーから排除する

筆者はこの主張が現在放映中の仮面ライダー番組を批判することになっていることを理解していますが,その番組を視聴していないので内容をよく知りませんし,その番組を契機として批判しているわけではありません.以前から思っていたことをまとめたものです.

人工エラで水中呼吸、現実的ではありません

人工エラをつけて人間が水中で呼吸する、といった記事を何度か目にしたのですが、それはほとんど不可能だと思えるぐらい難しいことです。理由をここにまとめます。

(2018/8/26追記:数値に間違いがあったので修正し、また分かりやすいように一部書き直しました。結論は変わりません。)

  1. 人は1分間に約10リットルの空気を呼吸します。(体重50kgの場合。DAIKIN「空気の学校」の解説より。)(当初の記事では毎分約20リットルと書いていましたが、10リットルの間違いでした。お詫びして訂正します。)
  2. 空気は1cm3の水に、最大で約0.03cm3溶解します。20℃の水なら約0.02cm3。(理科年表オフィシャルサイト「気体の水に対する溶解度」より)
  3. ですので、人工エラをつけて水中で呼吸するには、理想的な状態を仮定しても(補足説明12)、1分間あたり約333リットルの水を処理する必要があります。
  4. それを人間が顔に装着できるような装置にすることが出来るでしょうか。仮に10cm四方(断面積が約0.01m2)の装置にすることが出来たとして、1分間あたり333リットルの水を処理するためには、装置を通過する流速は0.5m/s以上になります。(補足説明3
  5. 2018年8月時点の競泳の世界記録を見ると(Wikipedia)、50m自由形の記録が20秒台(約2.5m/s)、1500m自由形の記録が14分台(約1.7m/s)です。ですので、この装置を使って水中で呼吸をするためには、理想的な状態を仮定しても、世界記録の1/5~1/3程度のスピードで泳ぎ続ける必要があります。(そのペースで泳いでも、1分間に呼吸する空気は約10リットルで変わらないとすれば、ですが。)
  6. また(これは明確な根拠はありませんが、エンジニアのセンスに照らして考えると)人工エラの効率が10%以上になるとは考えにくいので(補足説明4)、装置を通過する流速を5m/s以上にする必要があると考えられます。つまり世界記録の倍以上のペースで泳ぎ続ける必要があると予想されます。現実的ではありません。
  7. もちろん、装置を大きくすれば通過流速を小さくできます。たとえば約30cm2四方(断面積が約0.1m2)の装置にすれば、通過流速を1/10にできます。ですがこの場合は、その装置の流体抵抗が大きくなるので、その抵抗に打ち克って泳ぎ続ける必要があります。(補足説明5
  8. 仮定をより現実的にして、水温を10℃、空気の取り出し効率を数%と仮定すると、上記の寸法の装置でも世界記録ペースで泳ぎ続ける必要があります。
  9. となると、必要な量の空気を水から得るには、ポンプを動かして大量の水を処理する必要があります。それも、毎分数1000リットルの水を流せる本格的なポンプです。そのポンプを動かす動力も必要です。水中でエラ呼吸する、という当初の目的とは離れた構成になってしまいますし、それだったら酸素ボンベを背負って潜る方が現実的です。(補足説明6
  10. 以上のような説明をすると、では魚はどうして水中で生きていられるのか、と聞かれます。理由はぱっと思いつくものだけでも3つ挙げられます。
    1. 魚は人間ほど、酸素を必要としない。そもそもほとんど空気がない場所で生息していること、脳が小さいことなどから容易に推測できます。(補足説明7
    2. 魚は人間より効率よく泳げる。
    3. 魚のエラは、人工エラより効率がよい。魚はエラに血管が通っていて、エラから血液中に直接、酸素を取り込みます。人間が使うための人工エラは空気を気体の状態で水から抽出するので、魚のエラよりも非効率です。

思いつくところを説明してみました。参考になれば幸いです。

以下、補足説明です。

  1. 理想的な状態を仮定するとは、空気が水に最大溶解度(0.03cm3。ちなみにこれは0℃のときの値で、温度が上がると溶解度は下がります)まで溶けていて、かつ、その空気を100%取り出すことが出来る、という仮定です。
  2. 水面近くでは、空気が水に最大溶解度近くまで溶けているという仮定は合理的です。しかしその空気を100%取り出すことが出来ると仮定するのには無理があります。このことは6.で説明します。
  3. 333 l/min.÷0.01 m/s≒5.55×10-3 m3/s÷0.01 m/s=0.555 m/s
  4. 水の中に溶け込んでいる空気を取り出すには、圧力を下げて空気を抜き出すか、高温にして溶解度を下げて取り出します。前者は真空ポンプなど、大がかりな脱気装置が必要です。後者は100℃まで水温を上げても6割程度しか取り出せません。(理科年表オフィシャルサイト「気体の水に対する溶解度」より。0℃と100℃の水の溶解度の差の分だけ空気が出てくる。)人工エラの空気取り出し効率がこれより優れているとは考えにくく、むしろ低いと予想されます。溶存空気の10%も取り出せればいいほうなのではないか、というのが金野の感覚です。
  5. 「水は装置を通り過ぎるだけだから、流体抵抗はとても小さいのでは?」と考える方もいるかと思います。その場合は空気の取り出し効率が非常に低くなるはずです。水をしっかり処理する(多くの空気を取り出す)ためには水と装置が長い時間接触している必要があり、抵抗を小さくするのは困難です。
  6. 人工エラの可能性として示されているものの多くは、水分子より小さくて空気だけを通すような微細な穴が空いている膜を使い、空気を取り出します。専門的な話になりますが、このような膜を使ってまとまった量の空気を水から取り出すためには、大量の水に大きな圧力差をかけて処理する必要があり、また時間もかかります。人間が背負って泳げるような小型の装置にするのは非現実的です。具体的な数値で示すことは出来ませんが、金野の間隔に照らすと、人間ひとりが呼吸できる量の空気を水から取り出すことの出来る装置を、もし四畳半の部屋に収まるサイズに作ることができたら、非常にコンパクトだと主張してよいでしょう。
  7. 論文「魚類の酸素消費量について」には83cc/hr/kgという数値が示されていますので、計算しやすいように約100cc/hr/kgとすると、重量50kgだったら1時間あたり5リットルの酸素を消費します。人間は毎分20リットル呼吸し、空気の1/5が酸素なので、酸素の量だと毎分約4リットル≒1時間あたり240リットルです。単純比較すると、魚は人間の約50分の1の酸素しか必要としないことになります。実際には人間は吸い込んだ空気中の酸素を全部消費するわけではないので、差はもっと小さいと思われますが、それでも魚よりは多いでしょう。
  8. ここまでは流体力学的な観点からの説明のみをしてきましたが、生理学的にも問題があります。たとえば、水には酸素が窒素より溶けやすいので、酸素濃度の高い空気が取り出されるため、酸素中毒(Wikipedia)の危険性があります。

ノルウェーに長期滞在中です

 

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ブログには書いていませんでしたが、金野のFacebookを見ている方はすでにご存じと思います。

4月からノルウェーのトロンヘイム(Trondheim)というところに来ています。ノルウェー理工大学(NTNU)で1年間、海外研修するためです。もう4ヶ月が経ちました。来年の3月までいる予定です。

こちらに来る前はブログにいろいろ書こうと思っていた気がしますが、何も書かないまま今日に至りました。おかげさまで何とか、大きなトラブルはなく過ごしています。小さいのはいろいろありましたが。

先日はじめてトロンヘイムを離れて旅行に行きました。船で1泊2日の旅をして、帰ってからすぐ電車移動で1泊2日。楽しい4日間でした。上の写真は、船でØrnesという街の港を出るときの写真です。

3Dプリンターを試す

2015年12月に、中国産の格安3Dプリンターキットを買ってみました。

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Aurora Prusa i3という3Dプリンター。AliExpressでキットを購入して組み立てました。380ドルだったから、いまの為替相場だと4万5千円ぐらい。同じ系統でもっと安いキットもありましたが、販売店の評判などからこの機種を選びました。

安いだけあって、制御基板にハンダがちゃんと乗っていなくて、ヒートベッドの通電ON、OFFを制御するFET(だと思う)が接触不良を起こしていました。これに気づくまでかなり悩みましたねぇ。気づいてハンダを乗せ直したあとは、問題なく動作しています。

それとヒートベッドの高さの調節をきっちりやらないと、材料がヒートベッドに定着してくれませんでした。ヒートベッドというのは温度調整機能付き台座のことで、上の写真では青く写っている板のところです。50~100℃ぐらいに暖めた状態で使います。

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上記の3Dプリンターで作ったエッフェル塔模型。先端近くまでは順調に成形できたのですが、終盤のところで材料がうまく乗らなかったようで、いちばん先端は成形できていません。

このキットを購入する前、2015年の夏に、小型の3Dプリンターを導入していろいろ試していました。流体工学研究室なのに3Dプリンターを導入した理由は、ひとつは実験装置を作るためです。ちょっとした装置を作るのには、いまは3Dプリンターの方が簡単にできます。そのほかに仕事を楽にするためのツールを作るのにも役立っています。

新しく組み立てた方は、まだ有効活用には至っていませんが、今後活躍する予定。妄想が広がります。

3Dプリンターに興味がある人向けの説明:

今回購入したのはPrusa i3の派生モデルです。成形可能サイズが18 cm四方ぐらい、最小積層ピッチ0.1 mm、ノズルは1基でノズル径0.4 mmなので、2015年の3Dプリンターの中では中堅ぐらいの性能だと考えています。詳細に調べたわけではないですが、同程度の性能の既製品を6万円~20万円ぐらいで購入できるようですので、4.5万円は格安と言ってよいと思います。激安だと言いすぎかな。

安いだけあって、上に書いたように制御基板にハンダ付けが不十分なところがありました。それから、付属のSDカードに組み立て方法を解説した動画が入っているのですが、抜けている章がありました。(紙のマニュアルはない。)完成させるまでのハードルが高いですね。

2015年に買ったもの(2014年も)

2015年は、高い買い物はしませんでした。いま振り返ってみると、高かったのは下記のものぐらい。

いちばん高かったのはETC装置。2015年までつけないでいたのですが、あったほうがいろいろと便利だと考えて、投資しました。料金所を通るときの時間短縮になるのがひとつの理由ですが、財布から現金が減らないのもありがたい。金野はサラリーが銀行に振り込まれる職業なので、ATMに現金を引き落としに行く回数を減らせるのがうれしいのです。

2番目のメガネは、近距離のものを見るためのメガネ、つまり老眼鏡です。自宅用と携帯用の2つを作って上記の金額ですから、安い方でしょう。(メインで使っているメガネは高かった。

3番目と4番目は、金野自身よりもパートナーが喜んでいます。特にトイレのプラズマクラスターイオン発生機はいいらしい。集合住宅住まいで、トイレには換気扇があるけど窓がないのですが、プラズマクラスターがあるとトイレの匂いが全然違うそうです。(金野は匂いに鈍感で、よく分かりません。)

2013年までは「買ったもの」を紹介していたのですが(2010年2011年2012年2013年)、2014年はしていなかったので、これも調べてみました。

いちばん高かったのは、車のタイヤ交換の金額だったようです。次いで、 マニフレックスのマットレス、断裁機(紙の書籍を電子化するため)、カラープリンタ(買い換え)、USB DAC(PCが再生する音の質を上げるもの)と続く。

2014年の方がいろいろ買っていたみたいです。2015年は抑え気味でした。

なお、自分のために買ったもののみここに書いています。実家の両親にWii Fit Uを買ってプレゼントしたのはもう少し値が張りました。(使ってるかなぁ。)

2015年を振り返る

何はともあれ、このブログを更新しない一年でした。読者の皆様(いるのか?)申し訳ございません。

2015年は、ここにはまだ書けないこともあるのですが、これまでに蒔いてきた種のいくつかが花開き、いくつかは蕾にまで膨らんだ年でした。2016年にはいろいろ新しいことができそう。楽しみです。

研究のほうは、うまくいかないこと多数。今年は研究テーマを少し絞ったのですが、それでもぜんぶ順調に回っているとは言い難いです。今年も、自分で回さないといけない研究がたくさんあって、金野自身がボトルネックになって進まない。研究への取り組み方を変えなければならないと、もう2年以上前から思っているのですが、まだいい方法が見つかりません。ただ、2016年には短期的な解決策がひとつ実現する予定です。

ありがたいことに、実用につながるかもしれない共同研究がひとつ動き始めました。これも自分で回さないといけない状態になっていて、まだ成果を出せていませんが、今年度中には何とかしたい。

授業や教育面は、今年はあまり進歩しませんでした。今年は新しいビデオ教材を作らず、プリント教材や演習の方法を工夫するなど。演習用教材は少しは進化したかな。3年ぶりに担当する授業もありました。

これもブログに書けていませんが、海外出張には4回行きました。6月、トロンヘイム(ノルウェー)に2014年に続いて2回目。6月末から7月頭にかけて、サンクトペテルブルク(ロシア)。8月にマルメー(スウェーデン)。そして12月にトロンヘイム(ノルウェー)3回目。

プライベートでは、いろいろ遊んだり試したりしたことがありました。(あまり実らず。)

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トロンヘイム空港で、帰りの便を待っているときに見た虹。太陽が低いせいでしょうか、虹が地面から立ち上がっていて、金野のカメラでは撮れませんでしたが反対側までほぼ180°ありました。外側にも薄い虹が架かっています。

虹の根本には宝物が埋まっている、という伝説があるそうですね。トロンヘイムに宝物あるかな?

トロンヘイムの風景

ノルウェー出張のときの写真などを.

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これは行く前の成田空港.

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ノルウェー科学技術大学(NTNU)の顔に当たる建物.これは11時半ぐらいの映像.ところどころに雪が残っていました.

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上と同じ建物,打ち合わせが終わって帰るころだから16時前のはずですが,もう暗くなってきています.

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ニーダロス大聖堂前にあったオブジェ.

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ニーダロス大聖堂.トロンヘイムの観光名所です.壁面の彫刻が有名なのですが,この写真だと分からないですね.

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ニーダロス大聖堂の裏側.

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広場の風景.16時頃だったはずです.ツリーが装飾されています.その左の尖塔のようなものは,Olaf Tryggvason(ノルウェー王でトロンヘイム市を作った人らしい)の像です.

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通りの風景.

2枚目以降の写真は12月4日に撮影しました.この街に出張するのは3回目ですが,冬の時期に行ったのははじめてでした.朝は8時を過ぎたあたりからやっと空が明るくなってきて,15時を過ぎるとだんだん暗くなり,17時ともなると真っ暗です.今年の6月に出張したときは昼が長くて,夜はほぼなかったのですが.

北欧の初冬を経験できてよかったです.